2005年 10月 09日
国立国語研究所・外来語言い換え提案 |
先日10月6日に国立国語研究所が「第4回外来語言い換え提案」を発表したというニュースを読んで、この人たちはまだこんなナンセンスなことを続けているのかと愕然とし、長々と文句を書こうと思ったのだけれど、すでに第1回提案の後にすばらしい批判を加えていらっしゃるブログを見つけたので、ここでは長く書くのは止めて一言だけ。まったくこのブログ作者がおっしゃるとおり、単に普及度が低い外来語といっても幾つかの範疇に区分されるのであって、例えば従来の単語では表現できないからこそわざわざ外来語が用いられてきた「インターンシップ」などを「就業体験」と言い換えましょうだなんて、見当違いも甚だしいと思う。もし政府が日本語にカタカナ語をなるべく導入したくないと欲するなら、彼らがやるべきことは、従来の日本語では表現できない概念が登場したときに、すぐさま適切な日本語を創出し発表することではないだろうか? そうすれば何十年か後にはカタカナ語の使用が抑制されているだろう。
そんなわけで、従来の日本語とは別の概念を示すものとしてすでに定着したカタカナ語を、旧来の単語を使用して表現せよだなんて無意味な主張はやめて欲しいものだ。あと、まだあまり定着していないカタカナ語(「インキュベーション」とか?)に言い換え例を示してくれるのは良いのだけれど、言い換え語が従来語と明確に棲み分けられるようでないと、そのカタカナ語の使用を止められるわけはない。だから「インキュベーション→起業支援」というのは言い換えでもなんでもなく、どうしてカタカナ語が使用されているのかという背景をまったく無視した妄言と思えてしまう。
こういう話になると、「やっぱり昔の日本人は偉かった」となるわけで、先のブログでは「演説、正義、運命、伝説、表現、自由」という「外来語言い換え」を発明した先人の卓見に敬意が表されている。まったく同感だ。個人的に私がとても好きな「外来語言い換え」がひとつあって、それは「座屈(ざくつ)」という単語である1。これは構造工学で使用される用語で、「細長い棒などで、縦方向に圧力を加えていったとき、圧力がある限界値に達すると、急に横方向に湾曲が起こる現象(大辞林)」のこと。英語ではBucklingだが、きっと日本語に訳すとき「ざくっ」という擬音語を当て字にしたのだろう。天才的である。
-hiraku-
脚注:
1) 果たしてこの語がいつ日本語に現れたのかは確認できなかった。外来語言い換えではない可能性もある。
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by hiraku_auster | 2005-10-09 15:11 | 報道
