2009年 02月 01日
M-1グランプリ2008決勝所感 |
もう1ヶ月以上前のイベントなのだが、ずっと落ち着いてPCに向かう気持ちの余裕がなかった。いまさらであるが、自分への記録としてメモ書きしておく。当日は友人のO夫妻が我が家に来てくれて、お酒を飲みながら賑やかに観戦。
以下、各組について。
【NON STYLE】
文句なしの優勝。石田が1つのボケに関して、2度ボケる(1度目の自分のボケに対して自分でつっこむ)のに対し、井上はきちんと2度ツッコミを入れる。これによって2倍の笑いが生まれるわけで、とても斬新と感じた。さらに、石田の自分へのつっこみとして、「漫才楽しい」「手術室と言えない劣等感」など、物語の登場人物としての自分ではなく、「漫才をやっている自分」に対するものがいくつか現れる。特に1本目のネタ(川で少年を助ける)では「息していません、というか息が合っていません」のように、そのメタな視点がいつの間にか物語自体と交錯していく。2本目(肝だめし)もおもしろかったが、やはり意外な展開を見せる1本目が白眉だった。M-1グランプリ以前は彼らの「イキリ漫才」しか見たことがなく、いまいちなコンビという認識だったので、以前のスタイルを捨て、新たなスタイルを築いた彼らに、ただ敬服する。
【オードリー】
私は初めて見たので、始めのうちは単なるキャラ芸だろうと醒めて見ていた。ところが、春日のキャラ芸として十分におもしろいだけでなく、漫才としてもすごくおもしろい。何より若林のしゃべりが安定していて、心地よく引き込まれる。春日の話の飛躍の脈絡のなさ具合もすばらしく(「おいプレハブ」に爆笑)、特に1本目のネタ(家を探す)の終わり方の意外性が良い。あの最後の数秒で、審査員の評価も一気に上がっただろう。M-1 2009に期待したい。
【ナイツ】
完全に期待外れ。私にとってナイツは超絶技巧のコンビであり、塙がすごいスピードでボケるのを土屋がこれまたすごいスピードですべてを拾い、さらにボケを膨らましさえするのである。ボケ自体は単なる言葉遊びの羅列だから、それらを一つ一つ噛みしめてもらう必要はなく、ただその圧倒的な量と、ありえないスピードによって、見る者を唖然とさせるのである。1本目(宮崎駿)が始まったとき、塙のテンポの悪さが気になって、あまり笑えなかった。スタイル自体の新しさはあるので最終決戦進出も納得はするが、最終決戦のネタの選択(SMAP)は納得がいかない。他にもっとましなネタを持っていると思うのだが、M-1のDVD化の制約などからできるネタが限られてしまったのだろうか。下ネタ満載だったりと、とてもM-1の優勝を真剣に狙っていたとは思えない。
【U字工事】
立ち位置右の益子が、すばらしい技術の持ち主で驚いた。しゃべりが安定している芸人の話を聞くのはそれだけで楽しい。今後注目したい。
【キングコング】
おもしろくなかったが、前年も同様なくらいおもしろくなかったのに、今回は審査員の評価がまったく違って驚いた。前年のネタが評価されるなら、これでも評価されてしまうんでしょ、と思いながら審査結果を待っていたので、完全に予想を裏切られた。それにしてもキングコングは前年から1年間、何をやっていたんだろう。そして前年のネタで彼らの売りと思えた激しい動きを、どうして2008年は封印してしまったのだろう。彼らの目指す方向が理解できなかった。これまた意外だったのは、優勝候補筆頭のキングコングがこのような結果でも、番組自体は関係なく盛り上がったこと。全体の質が高かった。
【笑い飯】
存在感はもう他の組とはレベルが違って、どうして同じ土俵で競っているのか不思議なくらいだが、今回のネタに限っては、ネタの前半と後半が最初はつながっているように思わせておきながら(「俺にも闘牛士やらせろや」)、終わるときには忘れられていて脈絡がなく、持ち時間をいっぱいに活かしたネタではなかった。振りを活かしてうまくネタをまとめたNON STYLE、オードリー、ナイツとは対照的だった。笑い飯くらいになると、賞を狙うようなあざといネタ作りを敢えてしなかったのかと思えてしまう。少なくとも1本目はテキトーに綺麗にまとめて、審査員が高得点を付けられる口実を用意してあげないといけない気がする。いずれにせよ、次こそ期待だ。
全体としては、平均的なレベルは高かった一方で、爆発的・革新的におもしろいというネタはなかった。
-hiraku-
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by hiraku_auster | 2009-02-01 10:34 | モノローグ
