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Paul Austerと言葉をめぐる冒険。ハンドル名は -hiraku- 。記号制約のためログイン名には便宜的にhiraku_austerを用いています。
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2009年 12月 13日
![]() 日本人として英語を使うことの意味を、われわれはもう一度本気で考えてみるべきではないか。そしてそれを考えるとき、日本の近代を作り上げてきた英語達人たちほど格好の手本はあるまい。 「英語達人列伝 あっぱれ、日本人の英語」 (中公新書1533・2000) 斎藤兆史 著 More... ("斎藤兆史「英語達人列伝 あっぱれ、日本人の英語」"の続きを読む) 本ブログ:TOP
2006年 05月 28日
![]() 山崎豊子・著「白い巨塔」(新潮文庫・全5巻) 傑作である。初版は1965年に出版されたというが、いまもいっこうに古びない輝きを放つ。毎日新聞社において井上靖のもとで記者の修行をしたという著者・山崎は、この小説の執筆にあたってよほど徹底的な取材をしたに違いない。封建制が支配する大学医学部の人間模様はじゅうぶん本物らしさを感じさせるし(医大出身の知人によると、それなりに現実に近い描写が多いという)、患者の治療・手術の詳細な記述にはただ圧倒させられる。後半、医療裁判が主となる展開においては、原告と被告の必死の攻防がここでもまた膨大な情報量とともに描かれ、鬼気迫る。原告の大阪商人(財前の過失により夫を突然亡くした妻)の没落の様子は読むのがつらいほどに痛々しく、医大で低賃金で重労働を課せられる若い医局員たちの不満も共感を呼ぶ。このように多岐の分野にわたって詳細な描写がつづく中で、ひとつの大きなテーマが物語の向こうに透けて見えるのも、この作品の強みである。「命」とは何か、あるいは、自分に与えられた「命」を人はどう使うべきか、という。 More... ("山崎豊子「白い巨塔」 (1/2)"の続きを読む) 本ブログ:TOP
2006年 02月 18日
![]() 小澤征爾「ボクの音楽武者修行」(新潮文庫)1 この本の存在は以前から知ってたのに長いあいだ読まずにいたなんて、なんてもったいないことをしてたんだ、と思った。また私事になって申し訳ないが(これはブログなんだから私事を書いていいんだろうけど)、私も留学して海外で学位を取った経験がある。だからどうしても自分の経験と重ねてしまって、小澤征爾の意見に共感したり、古き良き時代と現代との違いに目が行ったり、普通の留学生では考えられない彼の天才性に驚かされたり。そんなすごく濃密な読書体験が楽しめた。私はこの本を、留学に興味がある高校生や大学生にいちばん薦めたい。海外渡航がまだ珍しかった時代に小澤征爾はこんなことをやったわけだから、ネットで何でも情報が手に入るいまの時代に、英語に自信がないとか、手続きが煩雑だとか、文句言ってちゃいけないよ。 More... ("小澤征爾「ボクの音楽武者修行」”の続きを読む) 本ブログ:TOP
2006年 02月 11日
![]() 小川洋子「博士の愛した数式」(新潮文庫) この小説全編にわたって、なんだかとても良い香りがただよっている。母親が準備する食事の匂い。暑い夏の日の風の匂い。窓から入ってくる雨の匂い。そのほか懐かしい音もたくさん聴こえる。古いラジオから流れる野球中継。初めて行く歯医者の不安を駆り立てる音。野球場のざわつき。やかましい蝉の声。遠くの雷鳴。そして母親が料理をする包丁の音。それらは僕らのかけがえのない子供時代の原風景だ。博士はいまは記憶が80分しか持たないかも知れないけれど、若いときの記憶は残っていて、自分が子供だったときの風景を忘れていない。だからぜんぜん不幸じゃないし、だからこそルート君にも幸せな原風景を与えようと奔走する。読者も自分が子供だったことを憶えていれば、この本を読んだあとにはきっと、みんなに優しくしようって気持ちになると思った。 More... ("小川洋子「博士の愛した数式」"の続きを読む) 本ブログ:TOP
2005年 11月 09日
「英語で読む 桜の森の満開の下」 坂口安吾 著/ロジャー・パルバース訳 (ちくま文庫・1998)「物語の力は翻訳で生じるノイズを乗り越えてでも伝わる」ということを村上春樹が言っていたけれど1、本書の以下のくだりに差し掛かるたびに、それを特に強く実感する。坂口安吾の傑作短編を英語との見開き対訳で読ませてくれる本書は、言語の壁を越えてでも機能する物語の力を教えてくれる。 More... ("「英語で読む 桜の森の満開の下」"の続きを読む) 本ブログ:TOP
2005年 10月 10日
![]() ロリータ、わが生命(いのち)のともしび、わが肉のほむら。わが罪、わが魂。ロ、リー、タ。舌のさきが口蓋を三歩すすんで、三歩目に軽く歯にあたる。ロ、リー、タ。 「ロリータ」(ウラジーミル・ナボコフ 著・大久保康雄 訳)新潮文庫 ロシア語と英語の両方で小説を執筆した驚異の作家ナボコフが成功し得たのは、ナボコフ初読者である私が言うのは僭越きわまりないだろうが、その特殊な文体ゆえであったに違いない。細部からさらに細部へと近づいていくその異常なまでに緻密な表現手法は、たとえいくつの言語の壁を越えようとも、じゅうぶんに圧倒的だろうからだ。 More... ("ナボコフ 「ロリータ」 (1/2)"の続きを読む) 本ブログ:TOP
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